プロレスの話題続編
前回に続いて、プロレスの話題をお届けしたい。
若い人には、初めて聞く名前かもしれないが、上田馬之助という愛知県出身の名レスラーがいた。
大相撲を経て力道山門下のプロレスラーになり、日米で36年間活躍した。
中堅時代までは、その地味な風貌と性格から、今一つパッとしなかったが、頭髪を金色に染めて悪役レスラーに変身してから、「まだら狼」の異名で大ブレークした。
当時の各団体のエースだったアントニオ猪木、坂口征二、ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、ラッシャー木村らと熱戦を繰り広げた。
といっても凶器や場外乱闘で観客を沸かせる試合が売り物で、日本のマット界では当時でも珍しかったファンから憎まれる悪役だった。
試合会場だけでなく、街中でも一般人を威嚇し、「お前はそれでも日本人か」という言葉を頻繁に投げつけられていたほどプロ意識に徹底していた。
だが、彼の真の姿は知る人ぞ知るものであった。
誰よりも後輩レスラーや関係者の面倒を見て可愛がり、一人でも多くの人にプロレスに興味をもってもらいたいと日夜人知れず行動していたことが後日、徐々に明らかになっていったのだ。
不幸にも平成11年に交通事故で半身不随となり、15年間リハビリに努めたが、71歳で天に召された。
改めてご冥福をお祈りしたい。
現在の派手なプロレスはもちろん楽しいが、こういったレトロなプロレスもなぜか無性に懐かしく思うのは、私が年齢を重ねたからだろうか。
黙ってこんな上田馬之助の想い出話を聞いてくれた栄のメンズエステの嬢がポツンとつぶやいた。
「男の真の値打ちは時が経ってから、初めてわかるものよね」
なるほど、分かる人にはわかるんだな。
私もそう思われる男になりたいと思った。
来週は錦の性感エステのコンパニオン嬢にも、同じ話をしてみよう。